高校同窓会投稿文

今回の秋の高校同窓会には特別な思いがあります。
ご存知の通りコロナ禍で数回、会の開催が延期に
なりました。当初は、友人のU村治君、余命宣言を受
けていた大手電機メーカー生粋のロボットエンジニア・
N村徹君の三人で参加する予定でした。弱ってきた
N村君が出席に前向きなので、U村君が提案し、大阪
から広島まで一緒に車で向かうつもりでした。もう
彼は亡くなって参加できない。とても残念です。
ところで、妻はアルツハイマー認知症です。案外
ぼくでも家事はこなせるものです。現役引退後はソ
フトボールを趣味とし、審判の資格を取ったり、中学
のクラブ活動に顔を出したりして、気分転換の術も
ありました。しかし、次第に彼女が一人でいられなく
なります。ぼくは気分転換ができず鬱気味に。物理的
に同窓会出席は無理かなと考え始めた折、H内君か
らこの文集編集お手伝いの話が出たのです。これな
ら会出席の代わりに参加できるかと手を上げました。
やってみると楽しい。同窓とはいえ交流のなかっ
た編集メンバーとの Zoom 会談。担当する何十年か
振りの旧友に昔の思い出を交えながらメールで投稿
依頼すると、色んな返事が帰って来る。もらった投稿
内容もさることながら、返信メールに意外な思い出
や事実が書かれている。審判に行けずに鬱っている
ぼくには救いでした。
また編集メンバーの一人、F原君は脳神経外科
ながら認知症の臨床にも関心があるとのこと。思い
切って最近の悩みをメールで相談したところ、親身
なアドバイスをくれました。背中を押してもらい、認
知症者のグループホームをセカンドハウス的に利用
し、彼女が自宅と行き来できる体制を取ることにし
ました。上手くいけば、同窓会に参加できそうです。
この同窓会がなく、文集編集のサポートに手を上
げなければ、ちょっと寂しくても一人の時間が持て
る現在の状況には至らなかったでしょう。やや色彩
に乏しい印象の高校時代に比べ、71歳のぼくは一
見素朴ながら調和あるマティス的色彩の中にいます。
会を前にして、個性豊かな修道の仲間たちとの良き
コミュニケーションに深く感謝しています。 以上