ビットコインってなんでしょう?

本日は、ビット・コインについてお話します。

 

ビット・コインの最大の特色は、世界中で通用するお金でありながら、

国や国際機関、銀行含む企業等のあらゆる既成の権威に頼っていない点にあると思います。

 

これを理解していただくために、まず、お金の話しをさせてください。

皆さん、お金は好きですか?

私は好きです。

でも、お金って何なんでしようか?

皆さんは、どう考えますか?

 

世間一般では、お金が次の三つの働き方をすると云われています。

(わかりやすいように小生風に言い切っています)

1 買物に使う

2 貯蓄に使う

3 商品の値段を知る

これらの機能をすべて果たすと多くの人が認めているのがお金です。今の日本では、日銀が発行している日銀券と造幣局が出している各種硬貨がお金です。

預金もお金だという考え方があるのですが、ビット・コインの説明のためにはそこまでは考えません。

 

それでは、どうして日銀券や造幣局硬貨がお金として流通しているのでしょうか?

昔は貝殻や塩、各種金属や穀物がお金でした。持ち運びができて、希少価値があるもので、好きなものに交換できて便利だったからでしょう。

お金がお金であるためには、それを使う人が信用することが必要です。昔はお金自体の価値を信用していましたが、信用されれば紙切れでもOKです。日銀券は紙ですよね。いくら高度の印刷技術が施されていてもしょせん紙は紙です。物自体の価値としては、さほどのものではありません。でも皆さんはなぜ紙を信用するんですか?

戦前は日銀券は兌換紙幣であり、制度的に金と交換できました。不換紙幣になってもドルに交換すればドルが交換紙幣でワンクッションおいて金にすることができる時代もありました。でも、今はドルも不換紙幣になったので、日銀券はただの紙なのです。

会計的には、日銀の借用証書です。つまり日銀が私たちに借金しているという証です。でも日銀にどうやって借金を返済してもらえるのでしょうか?よくわかりません。法律的には、国内での流通が義務付けられています。法律に守られているから安心ということはあるかもしれませんね。付け加えれば、外国為替市場がありますから、他通貨への交換が可能です。でも外国通貨といえどもその価値は五十歩百歩なのです。でも私たちは、制度的にゴールドに変えられない円を、国を信用してお金と認めている訳です。

お金って不思議なものだと思いませんか?

 

<おまけ>_なお、国は通貨発行権を持つことにより、無尽蔵にお金をつくることができます。そんなことをされたらたまりませんが、今は国民が国の自制を信じていることになります。赤字国債もこの通貨発行権があり、最終的に日銀が国債を買い取ることができるので発行できている面があります。

 

さて、ビット・コインのお話しです。

 

ビット・コインはコンピュータ・ネットワークを使ったお金です。ナカモト・サトシと名乗る謎の人物のアイディアに基づきます。残念ながら、仕組みの詳細は難しすぎてよくわかりません。ただ理解できる範囲で、その特色をお伝えしたいと思います。

 

ビット・コインの特色は、コンピュータ・ネットワーク上の記録の正確性が信用の基礎となっていることです。国の権威や正統性とは関係のないお金です。

何の記録かというと、このお金を使った過去の全ての取引履歴です。このネットワーク上の記録を仮に台帳と呼ぶとすると、この台帳は全く同じものがコンピュータ・ネットワークにより世界中の端末に送り届けられており、この台帳で今までたくさんの取引が行われてきたことが証明されることになるので、自分もそのように使えるはずだと考えられているのです。

 

<おまけ>_たくさんの商取引が行われてきたことが法律的に担保され、視覚的にも明瞭な裏書の多い手形がなんとなく信用できるのに似ているという人もいます。

 

なぜ台帳が間違いないのかというと、ブロック・チェーンという暗号技術が入っているからです。ブロックというのは連続する複数の取引がまとめられた記録です。このまとまりがチェーンのようにつながった形で記録されるのでブロック・チェーンといいます。書いている私もその辺は比喩的イメージでしか理解できません。この一塊のまとまりを閉じる際に、とても複雑な計算が必要になり、この計算が完結すると、もう後からいじることのできない台帳になります。世界中のビット・コインを使った取引が今現在も電子的に記録されており、約10分毎くらいにブロックが作成されていますが、このブロックを閉じる計算をしているのは、いわば入札制です。早く計算してこのブロックを完成させた人に決められたビット・コインが支払われます。このルールで、国が関与しないお金ができたのです。

 

世界中で同じ通貨が使えるので便利です。送金コストも安くなります。国が関与しないので自国通貨を信用しない人はこれで貯蓄しようとします。外国為替取引の対象となっているのでこの通貨が急騰するとみなして投機の対象にする人も出てきました。

 

一方、国や中央銀行は自分たちの特権が奪われるのではないかという懸念を持っています。ブロックチェーン技術を使って、似たような他の暗号通貨も誕生していますし、ブロックチェーンの管理を自分たちで行おうとする銀行や国も出てきました。(三菱UFJ銀行などは真剣に検討していますし、中国は自己管理できる別のビット・コインをつくりました。)

すでに世の中に大きな影響を与えています。

 

また、ブロック・チェーンという暗号技術は、これを公的な証明書などに利用しようという動きを生み、現に実現している国もあるようです。

 

以上